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フォルランのプロフェッショナリズム。ウルグアイ人の根底に流れる“ガーラ・チャルーア”【フットボールと言葉】

異なる言語間では、翻訳困難な語は無数にある。それはフットボール界においてもしかり。外国のフットボーラーが語った内容を、我々はしっかりと理解できているのだろうか。選手、監督の発した言葉を紐解き、その本質を探っていきたい。今回取り上げるのはディエゴ・フォルラン。ウルグアイフットボールの根底にある精神“ガーラ・チャルーア”とは。(文:竹澤哲)

シリーズ:フットボールと言葉 text by 竹澤哲 photo by Getty Images

【Part 1はこちら】

ウルグアイの「ベビーフットボール」

長年にわたりウルグアイ代表を牽引したディエゴ・フォルラン(左)【写真:Getty Images】
長年にわたりウルグアイ代表を牽引したディエゴ・フォルラン(左)【写真:Getty Images】

 9月下旬、われわれWOWOW取材陣はウルグアイへと旅立った。フォルランの父や関係者と会い、フォルランの原点となるウルグアイフットボールとはどのようなものなのかを探るためだった。私自身は取材陣が撮って来た映像を翻訳する機会に恵まれた。

 当初、フォルランのドキュメンタリーを作成するにあたり、「ガーラ・チャルーア(ウルグアイ人の持つ闘志)」をウルグアイフットボールの根底に流れるものとして紹介しつつ、フォルランの人間像を描くとのことで、取材をスタートさせていた。

 ウルグアイに到着したディレクターの小畑氏から届いたメールに、滞在中の運転手を務めるのが、2002年ワールドカップにウルグアイ代表の中心選手として活躍したアルバロ・レコバの父ラウール・レコバさんだと書かれていた。

「レコバのお父さんはお金には全く不自由していないが、息子や孫に、地に足の着いた生き方をしていることを示すために今でもタクシーの運転手をしているそうだ。これはウルグアイでは珍しいことではなくルイス・スアレスの父もタクシー運転手として働いている。

 こちらで聞いた話では、ガーラとは単に闘志の意味だけではなく、失敗や厳しい状況に直面しても諦めずにがんばる続けることだという。試合に出られなくても黙々と練習に打ち込むフォルランの姿に重なるようだ」

 父親の紹介でアルバロ・レコバにも、インタビューすることができた。息子の草フットボールを観戦に来ているところが映像に収まられている。たくさんの子供たちが集まって、草地の上では激しいフットボールが繰り広げられている。

 ウルグアイでは「ベビーフットボール」と呼ばれ、毎週末、土曜日の午後が6歳から8歳、そして日曜日の午後が9歳から12歳の子供たちの試合が行われるという。その試合数は毎週2000試合に及ぶというから驚きだ。

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