中国企業への売却が進むミラン。本田への影響は?
さて来季への展望だが、ミランの方針が定まっていない状態ではなんとも言い難い。現在ミランは中国人資本家グループから売却を持ちかけれており、水面下で交渉が進んでいる。シルビオ・ベルルスコーニ名誉会長は25日「たくさんの投資をしてくれる人々に売りたい。中国人たちは真剣だ」と売却の意思があることを示した。
ただ、その後でクラブの体制がどうなるかは不透明。ベルルスコーニ名誉会長は「中国人は私に3年間残って欲しいと言われている。そしてメルカート(移籍市場)は私が仕切る」などと、あくまで自分の手で成功させることにまだこだわっている。「交渉は頓挫するのではないか」という見方を示すメディアも存在するが、今のところではどうなるかも分からない。
契約延長の可能性も示していたアドリアーノ・ガッリアーニ副会長は「契約はまだ1年あるので急がずに話す」と言っていたから、まずはチームの体制が落ち着いてから、ということになるのだろう。ただそれでクラブ首脳が頭を切り替えられるのか、それとも中国人の資本家から金だけもらって、今までのようなことを繰り返すのか。
ただでさえ自らのプレースタイルがチームとかみ合わない時期を長く過ごし、腹をくくって走り回ったあとで、さらに新たなモチベーションは保てるのか。クラブがどんな選手補強をするのかということと共に、このことが本田自身の今後を左右する大きなファクターとなるのではないだろうか。
(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)
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