「日常生活の痛みも…」。内田が吐露した早く回復できない現状
所属のシャルケでも、2014年2月9日のハノーファー戦で右大腿部を負傷し、長期離脱を強いられてから、満足いくプレーができていない。2014年ブラジルW杯は強行出場したものの、14/15シーズンは出たり出なかったりで状態が安定しなかった。
そして2015年3月10日のチャンピオンズリーグ(CL)レアル・マドリー戦を最後に公式戦を遠ざかり、すでに1年2ヶ月を超える時間が経過している。昨年7月の右ひざ手術後も長いリハビリを続けていたが、今年2月中旬に突如、帰国。今季中の復帰は叶わなかった。それだけの空白期間を強いられるトップ選手はなかなかいない。それゆえに、彼の言葉には切実感が色濃く伺えた。
内田の右ひざの状態は、現時点でも芳しいものとは言えない。今回、久しぶりにピッチ上に現れた日本ナンバーワン右サイドバックの両足の細さには、多くの報道関係者から驚きの声が挙がった。
2月中旬にシャルケでトレーニングしていた時はブラジルW杯の頃と変わらないくらい上半身・下半身ともにガッチリしていただけに、「そこまで急激に状態が悪化したのか…」と勘繰る声が出ても不思議ではなかった。
「今はひざの手術したところが痛いんじゃなくて、その周りなんです。日常生活の痛みもまだしっかり足を踏み込んだりっていうのがないとあります。筋力をつけるのも、刺激が入ってないと難しいかなと。ずっと試合やってきたのが蓄積されて姿勢やひざに負荷が来たんで。
このケガで苦労してるスポーツ選手はすごく多いんだけど、僕の場合は(患部が)骨化した。そういうケースはなかなかないんです。日本全国のドクターとかトレーナーが『俺に診せろ』と言ってきて、いろんな人の話も聞きました」と彼は最近の状況を包み隠すことなく説明していた。
この合宿最終日も、代表チームのトレーナーが内田の右ひざと腰をテーピングでグルグル巻きにし、ゆっくりと走った姿を前から動画撮影し、それを何度も本人と確認しながら修正を図る場面が見受けられた。体のバランスが崩れ、右ひざに負担が集中するようになってしまったからこそ、こうした矯正が必要なのだろう。