及第点はペドロのみ。新加入選手はチームの上積みにならず
新加入選手はどれほどの上積みになっただろうか。及第点は、マンチェスター・ユナイテッドとの争奪戦の末に獲得したペドロ・ロドリゲスくらい。7得点3アシストという結果を残したが、それでもバルセロナ時代のパフォーマンスを発揮しきれておらず完全にチームに順応しているとは言い切れなかった。
アウグスブルクから獲得したババ・ラーマンは2170万ポンド(約34億7200万円)という移籍金でやってきたが、その価値を全く証明できなかった。攻撃が持ち味の左サイドバックではあるがさほど攻撃に厚みをもたらしたわけでもなく、守備では相手の穴にもなった。
ラダメル・ファルカオはユナイテッド時代の不調を引きずったままで、そこに相次ぐ負傷も加わって戦力とはならなかった。モナコからの期限付き移籍でチェルシーに加入したが、残念ながら買い取りすることなくお返しすることになりそうだ。
パピ・ジロボジとアレシャンドレ・パトの補強は疑問しか残らなかった。ジョン・ストーンズ(エバートン)やマルキーニョス(パリ・サンジェルマン)の獲得失敗を受けて急きょ獲得したジロボジだが、結局プレーしたのはカップ戦1分のみ。冬の移籍市場でチェルシーお得意の期限付き移籍でブレーメンへと放出され、“ミステリー”とさえ揶揄された。
ファルカオやロイク・レミーらストライカー陣の不振によって獲得したパトも、デビュー戦まで要した歳月は2ヶ月。デビュー戦ではPKによるゴールは決めたものの出場したのは2試合しかなく、フロントの判断には疑問が残る。
そんなチームを見限るように、ラミレスは中国へと去ってしまった。豊富な運動量で長きに渡って中盤を支えたブラジル代表はヒディンク監督就任で出場機会を失ってしまったが、シーズン後半戦でラミレスの不在を感じさせる試合があったのも事実であった。