リバプール、早々にロジャースを解任。クロップ就任の裏側
現在のリバプールを一言で表せば、「発展途上のチーム」だ。そのため、来季いきなり大化けして優勝する可能性もある一方、逆にこのまま長らく現状から抜け出せないかもしれない。しかしながら、ユルゲン・クロップがシーズン途中に監督就任して以来、クラブ関係者は近い将来にクラブの状況が好転することを期待している。
とはいえ今季を振り返ると、チームはコンシステンシー(継続性)に欠け、強さと脆さが共存しているように映った。それはブレンダン・ロジャース前監督の指揮下の話だけではない。10月にクロップが後任監督になってからも続いたことだった。
マンチェスター・シティを相手に敵地で4-1と快勝したこともあれば、格下のワトフォードに0-3と一蹴されることもあった。最終的の8位という順位のみならず、シーズン終了までムラの目立つ大味な試合が多かったことも、今季のリバプールがネガティブな印象を与えた要因といえる。
出だしこそ2連勝と好調な滑り出しを切ったものの、開幕から4試合目でウェストハムに0-3と完敗を喫してロジャースのチームには暗雲が立ち込め始める。そしてそのおよそ1ヶ月後に指揮官のクビが飛ぶ。この時点でリーグ戦は3勝2敗3分。クラブ上層部がロジャースに限界を感じたのも事実だが、それ以上に、後任としてクロップを招聘できる可能性があったからこその解任だった。
地元紙『リバプールエコー』でリバプール番を務めるジェームズ・ピアーズ記者によると、上層部はかねてからクロップを狙っていた。「ちょうどあの頃に第三者を通じて『クロップが監督業を再開する気らしい』という情報を経営陣は入手。この事実こそが、ロジャース解任に向けて一気に物事が始動した最大の理由だった」と教えてくれた。