Jリーグ草創期は選手だった監督たち
J1順位表の上位半分を眺めてみてほしい。特に、上位8チームを率いる監督たちの顔ぶれについて考えてみよう。
浦和レッズを別とすれば、そのうち7チームは自国出身の若い日本人監督によって率いられている。風間八宏の川崎フロンターレが勝ち点28で首位(ただし、ミハイロ・ペトロビッチのレッズは2ポイント差で3位だが2試合を多く残している)に立ち、石井正忠の鹿島アントラーズが勝ち点27で2位に続く。
さらにその下の5チームを率いているのは渋谷洋樹(4位大宮アルディージャ)、下平隆宏(5位柏レイソル)、長谷川健太(6位ガンバ大阪)、名波浩(7位ジュビロ磐田)、森保一(8位サンフレッチェ広島)という面々だ。ここから日本人指導者の成長について興味深い考察を行うことができそうだ。
渋谷監督を除けば、他の6人はいずれもJリーグの草創期に選手としてプレーしていた。彼らは日本にプロサッカーの文化が誕生してから選手を経て監督になった第一世代だというわけだ。
実際に森保監督と長谷川監督の2人は、過去4年間のJ1でそれぞれのクラブをリーグ優勝へと導いた戦いの中で、自身の現役時代にピッチ内外でどれほどの経験を得てきたかを示すことができた。同様の例が他にも相次いでいることを考えれば、このパターンは今後も継続していくのではないかと感じられる。
石井監督と下平監督は、それぞれブラジル人の前監督から引き継いだチームを安定させ、さらに前進させることができた。渋谷監督と名波監督も昨季J2からの昇格を勝ち取った仕事をそのまま継続することができている。