深みがなし? レアルのチーム状況とは
今季のマドリーは、ラファエル・ベニテス監督を就任からわずか半シーズンで解任。その後就任したジネディーヌ・ジダン監督もチームを指揮して約半シーズンと日が浅い。
そのため、現時点でのジダン・マドリーはチームとしての成熟度は限りなく低いといえる。例えるなら、高級食材を強火で炙って大皿に並べただけ。もちろん個々の質が高いため、適材適所に並べれば十分な味を発揮する。実際にジダン監督は厳しい状況の中で健闘しており、すぐに結果を残すためのベストな方法かもしれない。しかし、そこに洗練された深みや旨味はまだ凝縮されていない。
一方のアトレティコ・マドリーは、2011年からディエゴ・シメオネ監督が指揮を執り続けており、現在のチームにはこの闘将のサッカー観が完全に浸透している。
アトレティコの今季の主なスターティングメンバーを見てみると、GKオブラク、DFフェリペ・ルイス、ヒメネス、ゴディン、フアンフラン、MFガビ、アウグスト・フェルナンデス、コケ、サウール、FWフェルナンド・トーレス、グリーズマン。
力のある優秀な選手が揃ってはいるが、現時点でトップ3といえるバルセロナ、バイエルン、そしてレアル・マドリーの陣容に比べると、一回りスケールは落ちる。さらに、シメオネ監督就任後、これまでファルカオ、ジエゴ・コスタ、アルダ・トゥラン、マンジュキッチといった選手を手放している。
それでもチーム力が下がることはなく、現メンバーでもチームとしての総合力では前述のトップクラブと肩を並べている。というよりも、この決勝次第では全て打ち負かすことになる。
ただ、得点・失点数を見れば、アトレティコは「守備的サッカー」とも思える。イメージとしては、引いて守って一瞬の隙をついて“アップセット”を起こしたといったところか。
しかし、実際のアトレティコはそうではない。