小林祐希招集は4-3-3採用の布石か
そして小林祐のようなタイプの選手を招集した1つの理由として[4-3-3]の採用も想定できる。攻撃的MFの清武弘嗣に関して「香川と競争してほしい。彼らがボールを奪うところ、ディシプリンを覚えれば同時に使いたい」と語っている。その場合は2人を左右のインサイドハーフで使う形が考えられるが、小林祐もそうしたポジションで生きる可能性が高い選手だ。
ただ、彼の場合は現在の香川や清武に増してオフ・ザ・ボールや守備の貢献に関してハリルホジッチ監督の要求に耳を傾け“意識改革”する必要があるだろう。
大島にしても小林祐にしても、今回のキリンカップに向けた合宿でしっかりアピールして、試合でチャンスを得たときに日本代表の基準に見合うパフォーマンスを見せることが今後の代表定着につながる。
ただ、これまで招集された経験のある柴崎岳、より守備的なキャラクターとしてベテランの今野泰幸を改めてあげるなど、他にも候補がいることを強調しており、指揮官が警戒するUAEとの最終予選の初戦に向けて、他の選手を招集する可能性も十分にある。
そうした競争はここからも続くが、「1年目は何人かを間違えたかもしれないが、ミスは無くなってきたかなと思います」と主張する指揮官の意図を読み取りながらここからの強化と試合を見ていくことが、最終予選を展望する有力な手がかりにもなってくるはずだ。
(取材・文:河治良幸)
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