最終予選から世界での戦いで求められるプレー
二次予選の途中から定着している柏木陽介に関しても、ここに来て守備のプレッシャーをかけるところなどに成長が見られることを評価するが、やはり選出の大きな理由となっているのが、正確にパスをスピードアップさせる能力だ。
もちろん、それはFW枠で「日本国内で1人だけ背後に動き出せる選手」と評価するリオ五輪世代の浅野拓磨を昨年8月の東アジアカップから10ヶ月ぶりに招集したことや、「フィニッシュのところに来たり、フィニッシュをさせたりする。オフェンスのクオリティがある」という小林悠を招集していることなどもセットとして考えられることだ。
ここから志向するところはより中盤のインテンシティーが高い相手を想定した攻撃のスピードアップ、それを可能とするMFのパスの正確性とクオリティだろう。
二次予選は「引いた相手をどう崩すか」というテーマがハリルホジッチ監督の方向性に関係なく、嫌が応にも存在していた。
だが最終予選からさらに世界での戦いを想定するならば、攻守の切り替わりで素早く効果的なパスを出し、そこから効率よく高い位置に起点を作らせるプレー、さらにチャンスに応じてゴール前16メートルのところにタイミング良く飛び出し、フィニッシュに関わるプレーがボランチや攻撃的MFに求められてくる。
そのためにホームとはいえ欧州の中堅国とタイトルを競う形で勝負できることは確かな指標になるはずだ。
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