暗雲を切り裂いた地力と新しい才能たちの出現
ユベントスにとって、変化を求められたシーズンだった。大黒柱だったMFアンドレア・ピルロ、MFアルトゥーロ・ビダル、FWカルロス・テベスを欠いただけではなかった。FWフェルナンド・ジョレンテ、FWキングスレー・コマンを放出し、シーズンに入った。
また、アントニオ・コンテ監督時代からチームを支え、ロッカールームに欠かせない存在だったMFシモーネ・ペペ、FWアレッサンドロ・マトリ、GKマルコ・ストラーリの放出はチームのメンタルに大きな打撃を与えた。
チームの40%の“血”を入れ替えて臨むシーズンは、容易ではなかった。皮肉なことに、バイエルン・ミュンヘンに移籍したコマンは、ジョゼップ・グアルディオラ監督の元で才能を開花させ、ビダルは世界屈指のMFの1人であることを改めて示した。
しかし、バイエルンがユベントスに支払った7000万ユーロ(約85億円)で獲得したFWパオロ・ディバラとDFアレックス・サンドロの若い2人の才能は、チームの未来に“福音”をもたらすことになる。
今シーズンからチームに加わった選手たちの存在も際立っていた。FWマリオ・マンジュキッチは闘志にあふれ、まさに“ユベントス”を体現する選手だったし、負傷を負って加入したMFサミ・ケディラは、チームのギアを一つ上げる存在になった。
DFダニエレ・ルガーニやMFマリオ・レミナなど若い力も才能を感じさせ、チェルシーからローンプレイヤー、FWフアン・クアドラードも素晴らしい判断だった。GKネトやFWシモーネ・ザザもマイナーな存在だったが、大一番で仕事を遂行できるプロであることを示した。
移籍の唯一のミスを上げるのなら、攻撃的MFの確保の失敗だ。その穴を埋めるはずのMFエルナネスは、ごく一般的なボランチとしての役割しか果たせなかった。しかし、今シーズンはどんなチームにも訪れる「世代交代」を理想的な形で成功したのは、ユベントスの未来を明るくするものになるはずだ。