「劣っていると認められることが、我々の長所となる」
G そうやって自ら気持ちを高めていったのか(笑)。
S ヘルマンには「おい、俺の言うことを信じてくれ。俺たちは彼らより良い感じだ。最後の5分間の感触では、相手には何か問題がある。1点を奪いさえすれば、勝負は決まるはずだ」とも話したよ。そして、試合は実際にそうなった。理想的な時間にゴディンがゴールを決めてね。
M 自分が驚きを感じているのは、やはり君が指導する選手たちだ。彼らをバイエルン・ミュンヘン、バルセロナの選手たちと比べれば、やはり劣っているわけだからね。
S ああ。間違いなくそうだろうね。ただ彼らより劣っていると認められることこそが、我々の長所となるんだ。もし自分たちがマドリーより優れていると考えれば、途端に4ゴールを決められてしまうだろう。
2013-14シーズンのコパ・デル・レイでベルナベウに乗り込んだ日、私が敷いた布陣はチームの現実からかけ離れたものだったと思う。0-3で負けたその試合では、コケ、ガビ、ジエゴ・リバスとテクニック的に優れた選手を並べた布陣によってボールを保持しようと試み、一方のマドリーは我々のようなパフォーマンスを見せた。
我々がマドリーのような振りをしたって勝てず、逆に彼らは4、5、6ゴールと好きなように得点を決めることが可能だ。彼らは絶対に止まることなく、6ゴールを決められるならば6ゴールを容赦なく叩き込むんだよ。
そのことは頭に入れておかなければならないし、4失点を許してから苛立っても意味がない。彼らよりも劣っているという苛立ちは、0-0のときから感じていなければならないんだ。
【後編】に続く
(翻訳・編集:江間慎一郎)