期待以上だったデ・ブルイネ。改善されなかった負傷者問題
シティは強い。だが、それは条件付きだ。センターラインのGKハート、DFコンパニ、MFヤヤ・トゥーレ、シルバ、FWアグエロが揃ったときに強さを発揮する。ところが、1人でも欠けると、大きく戦力ダウンしてしまう。それは今季だけの問題ではなく、過去から連綿と続く課題でもあった。
今季初めも大型補強を敢行。ケビン・デ・ブルイネ、ラヒーム・スターリングの2人だけで約200億円を費やし、さらにニコラス・オタメンディやファビアン・デルフといった主力級も獲得した。
シーズンを通して期待以上の活躍をしたのはデ・ブルイネ。負傷による離脱はあったが、新たな攻撃の核となり、シルバ不在時のチームを支えた。だが、スターリングに関しては離脱期間があまりに長く、やや期待外れと言える。
オタメンディは及第点の評価を与えてもいいだろう。レアル・マドリー戦のようなハイレベルの戦いでは厳しさを露呈したが、もはやいる時のほうが珍しいコンパニの穴をしっかりと埋めた。彼抜きでは、早々にシティは崩壊していただろう。
最も残念なのはデルフ。様々なポジションでプレーできる逸材で、ムラッ気の多いヤヤ・トゥーレを補完しつつ、攻撃陣のアクセントになることも期待されたが、指揮官の信頼を得られずベンチを温める日々が続いた。
補強に関しては、当たりもあれば外れもある。それが普通だ。それより問題なのは、負傷者の多さだ。いつも誰かがいない。ペジェグリーニ監督がベストな布陣で臨めた試合は一体いくつあっただろうか。
レアル・マドリーとの一大決戦では、シルバとサバレタを欠いた。おまけに前半10分でコンパニが負傷退場。チームのコンディション調整に大きく改善の余地があるのは間違いない。
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