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Jリーグ 9年前

統計学で見るJリーグ・2ステージ制の矛盾。確率が導き出した歪なバランスと制度設計の問題点

text by 山下祐司 photo by Asuka Kudo / Football Channel , Getty Images

CSを5チームで争う確率はわずか3%

サンフレッチェ広島
年間勝点1位のサンフレッチェ広島が年間優勝の栄冠を獲得【写真:Getty Images】

 2ステージ制は、スポンサー収入や観客数の増加などを目指したもので、2015年からは1シーズンを1stと2ndステージにわけ、各ステージの優勝チームと年間勝ち点の上位3チームでポストシーズンであるCSを戦うようになった。

 3つの優勝を争い、CSのトーナメント戦も実施して“山場”を増やす戦略だ。しかし、各ステージ優勝のチームと年間3位までのチームが重なる可能性があり、CSに出場するのは3から5チームの間で揺らぐことになった。

 それまで年間優勝とされていきた年間勝点1位のチームはCSの決勝にシードされるとはいえ、「地位」が低下したため制度変更への批判は少なくはなかった。

 現行のCSがはじめて実施された昨年の出場チームは3チーム。1stステージで優勝し年間勝点で2位の浦和レッズと年間勝点が3位のガンバ大阪がCS準決勝として対戦し、勝利したガンバ大阪を2ndステージで優勝し年間勝点1位のサンフレッチェ広島が下し年間優勝の栄冠を獲得している。

 シミュレーションによる分析から小中准教授は「現行の制度は2ステージ制をベースにCSを争うようにみえますが、出場チームの重複が起こるので実質は1シーズン制の勝点上位3チームがCSで争っているようなもの。そこに、年間勝点の順位が4位以下のチームがステージ優勝で救済され、ときおり参入する制度です」と説明する。

 分析から、年間勝点の上位3チームと1stと2ndステージの優勝チームとが重なり、CSが年間勝点の上位3チームで争う確率は【61.7%】。年間勝点の上位3チームと1stと2ndステージ優勝チームのどちらか一方が重なり、CSが4チームによって争われる確率は【35.2%】。年間勝点の上位3チームと1stと2ndステージ優勝チームは全く別になり、5チームで争う確率はわずか【3%】だった。

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