アルマンド・イッツォ【写真:Getty Images】
カルチョスキャンダルから十余年、再びイタリアサッカー界に激震が走っている。今回は2014年に行われたセリエBの数試合において八百長に関与したとして10人が逮捕され、そのうち2人は選手だという。
伊紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によれば、ナポリに拠点を置く犯罪組織が中心となって近郊の都市をホームにするアヴェリーノの試合で八百長が行われた。捜査対象になっているのはアヴェリーノが3-0で勝利したホームのレッジーナ戦と、0-1で敗れたアウェイのモデナ戦の2試合だ。
英メディア『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』が明かした情報によれば、今回の八百長は犯罪組織が5万ユーロ(約610万円)を数人の選手に渡したうえで勝敗の操作を指示し、自分たちは試合に40万ユーロ(約4900万円)を賭けるという手法で行われたようだ。レッジーナ戦では11万ユーロ(約1350万円)、モデナ戦では6万ユーロ(約730万円)の利益が出たことがわかっているという。
そして、疑いの目は現役イタリア代表にも向いた。ナポリ生まれで2012年から2014年までアヴェリーノに在籍していたアルマンド・イッツォも警察の捜査対象になっているという。現在ジェノアに所属する同選手はEUROに向けた一次合宿で初めてイタリア代表に招集されていた(その後メンバーから外れた)。
叔父サルバトーレ・ペトリッチョーネ氏が地元ナポリの犯罪組織幹部で、兄弟(兄か弟かは不明)のジェンナーロもマフィアに関係しているイッツォは、問題の時期にアヴェリーノに在籍していたことで八百長への関与が疑われている。しかし、本人は事実無根と反論している。
先述の『ガゼッタ』紙によれば、イッツォは「僕はフットボーラーであり、八百長をしようと考えたことなどただの一度もない。その2試合は検査中だったと指摘したい。モデナ対アヴェリーノとアヴェリーノ対レッジーナは、負傷していたから出場していないんだ。僕は司法の力を完璧に信頼しており、自らの潔白が証明されると確信している」と述べ、八百長への関与を否定した。
下部リーグで実績を積み上げてイタリア代表まで上り詰めた24歳の若者の主張は証明されるのか。アントニオ・コンテ監督の無罪が確定したばかりだが、カルチョの国ではしばらく八百長問題の余波が続きそうだ。
【了】