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AマドリーからRマドリーへ、禁断の移籍を経験した番記者。残酷な異動、禁じ得なかった動揺

text by ダビド・ガルシア・メディーナ photo by Getty Images

番記者として必要なコネクションづくり

 片やアトレティコも、ここスペインではマドリー、バルセロナに次ぐビッグクラブとして扱われており、メディア対応が快いものとは言い難かった。例えば『マルカ』は、ブレイク後のアグエロのインタビューを数年にもわたって求め続けたが、クラブからの許可は彼が退団するまで、ついに下りることはなかった。

 しかし、それでも我々は遠征の飛行機に同乗することを許されるなど、クラブ側から独自の情報を入手する機会を与えてもらっていた(無論、機内で選手と話した内容を、インタビュー形式で出すことなどはタブーだが)。

 対してマドリーは、クラブを介して選手・監督と接触を図ることはまず不可能で、我々は彼らの代理人とコネクションを築くなど、正規とは違うルートから情報を得ることが必要となる。この点において、私はすでに多くのコネクションを有していたマドリーセクションの仲間たちに、大きく遅れを取っていた。

 しかしマドリー番記者となって8ヶ月が過ぎた現在は、クリスティアーノの代理人ジョルジュ・メンデスをはじめとしたいくつものコネクションを確保し、独占的な情報も入手できるようになった。

 それに伴ってか、マドリーに対する愛着だって芽生えつつあり、以前にシンにぶつけてしまったような敵対心は消え去ってしまった。たとえクラブの方針が我々を邪険に扱うものでも、個人間では友好的に接してくれる広報らを憎むことなどできないし、何より懸命に勝利を目指すチームと情熱に包まれるベルナベウを目にすれば、嫌でも心を動かされてしまうものだ。

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