引いた相手を崩せるように。しかし、反動で弱点も露見
第5節レバークーゼン戦までに、2G(ゴール)3A(アシスト)と目に見える結果も残す。ポジションを同じくする新加入のゴンサロ・カストロの調子が上向かないこともあって、香川は中盤でその座を揺るぎないものとする。ギュンドアンとの連携も抜群で、バイグルも含めたトライアングルが原動力となり、ドルトムントは失った自信を取り戻していく。
加えて両SBが高い位置を取って、昨季は苦しめられた、引いて固める相手を崩し切った。前半戦終了の時点で、ピエール=エメリク・オーバメヤン、マルコ・ロイス、ヘンリク・ムヒタリヤンの3トップは32ゴールと爆発する。チームとしては47ゴールを挙げて、リーグ1位の攻撃力を発揮した。
前半戦を終えてみれば、ブンデスリーガは2位、DFBポカールはベスト8に進み、ヨーロッパリーグ(EL)も2位ではあるがグループステージを突破する。残留争いに苦しんだ昨季が嘘のように、トゥヘルの下でドルトムントは着実に成果を残した。
もっとも、前半戦では何もかも上手くいった訳ではない。第13節ハンブルガーSV戦のように、相手が引き過ぎずコンパクトでアグレッシブな守備を取ってくると、苦戦を強いられた。高い位置を取る両SBの裏をカウンターで突かれ、3失点を喫してしまう。引いた相手を崩すために前掛かりになるドルトムントの、弱点だった。
そこでトゥヘルは後半戦に入ると再び改革に着手する。冬の移籍市場では、前半戦にポジションを確保できなかったヨナス・ホフマンを放出し、アドナン・ヤヌザイをレンタル元のマンチェスター・ユナイテッドに戻した。一方で、新規獲得選手は、クリスティアン・プリシッチとフェリックス・パスラックの2人をU-19から昇格させるに留める。
【次ページ】賛否分かれる新戦術。来季への課題は?