来季の積極補強は必須。ヴェンゲル監督は現実路線を
ただし、リーグ優勝に加えて6年間も連続で阻まれているチャンピオンズリーグ(CL)ベスト16の壁も突破したいのであれば、チーム全体の層を厚くしなければ来季も同じ繰り返しになることは明白。
水を開けられている国内のライバルと比較してどうしても見劣りするスカッドのレベルアップに踏み切らないようでは、昨季まで優勝回数を伸ばしてきたマンチェスター勢とチェルシーに差を広げられるばかりで、リーグ無冠時代は続く一方だ。
最低でも20得点は計算できるストライカーの獲得は大前提として、各ポジションで代表クラスの選手補強をしなければ、リーグとCLを両立することは難しい。
最後のプレミア制覇となった2003/04シーズンの無敗優勝も、ティエリ・アンリやパトリック・ヴィエラ、デニス・ベルカンプといった個が光る選手が揃っていた。
2006年に完成したエミレーツ・スタジアムの建設費も返済の目途が立ち、財政的な制限もなくなりつつある。
ヴェンゲル監督は“若手主体”“パスサッカー”“コンビネーション”という哲学を貫くのも構わないが、本当にリーグ優勝を目標としているのであれば、退任要求が強まるファンの不満が限界を超えないうちに少しは現実路線を見据えてもいいのではないか。
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