首位で2015年を終えるも…またもリーグ優勝逃す
毎年のように3位と4位を行き来していたアーセナルだが、最終節でトッテナムを抜いて11年ぶりの2位に浮上。20年連続で宿敵を上回り、最後の最後で過去10年で最高順位に押し上げた。
しかし、サポーターにとっては決して満足できるシーズンではなかったはず。
チェルシーを筆頭に優勝を争うライバルが次々と躓いていく中、首位で2015年を終えた。03/04シーズン以来のプレミア優勝に「今度こそは」と大きな期待がかかったが、首位を守ったのはわずか4節のみ。その後は、驚異の快進撃を続けるレスター・シティに奇跡の優勝を許してしまった。
その要因のひとつとして、毎年指摘されている“勝負弱さ”がある。中位クラブ相手でも攻め手を欠いてゴールを奪えない、あるいは少ないチャンスからゴールを許してしまい、何度も勝ち点を落としてきた。
もはや恒例ともいえる指摘ではあるが、やはり精神的支柱が不在だったことは原因のひとつである。
本来のキャプテンはミケル・アルテタだが、今季のリーグ戦出場は9試合でフル出場はゼロ。負傷もあったが、そもそも出場機会を得るにもいたらなかった。
ペア・メルテザッカーやコーラン・コシエルニーがキャプテンマークを巻く試合が多かったが、来季の新主将はアーセン・ヴェンゲル監督が示唆しているようにペトル・チェフが適任だろう。
夏の唯一の新加入選手ではあるが、チェルシー時代に数々のタイトルを獲得しており、実績や経験に疑いの余地はない。さらに、複数の言語を操ることができることもリーダーの素質のひとつ。苦しい時に声をかけてチームをまとめられるリーダーがいれば、勝ち点のいくつかは失わずに済んだはずだ。
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