来季の苦戦は確実…補強に加えて主力の残留は不可欠
これらのように、レスターの補強はすべてのピースがパーフェクトにハマったパズルよろしく大成功をしたのである。
それでは来季はどうなるか。厳しい戦いを強いられるのはほぼ確実だ。クラブ史上初のチャンピオンズリーグ(CL)出場も加わり、当然、他チームのマークもきつくなる。最大の懸念点は選手層の薄さだ。もちろん、今夏中に大幅補強をすることは間違いないが、それでも今季のように新選手がほぼ全員活躍するのは皆無であり、その数も来季はより多くなるからだ。
バックラインにはより速さとうまさが求められ、全体的なグレードアップが欲しい。中盤センターも、現在はカンテとダニエル・ドリンクウォーターしか頼れる存在がいないため、優れたバックアッパー、もしくは彼らに取って代われるもうワンランク上の存在が必要だ。
また攻撃陣もウィングではリヤド・マハレズの逆サイド、つまりハードワーカーだが技術に難があるマーク・オルブライトンよりもゴールやアシストといった結果を出せる選手がなくてはならないし、岡崎やウジョアの得点力では物足りなさを感じているに違いないラニエリ監督は、新FWを獲得するつもりだろう。
加えてヴァーディーやマハレズ、カンテ、さらにカスパー・シュマイケルといった引き抜きが噂される選手たちの残留はマストだ。彼らをベースにして作らなければ、今季のような一体感のある素晴らしいチームは絶対に完成しない。
前途多難なのは間違いない。だがそれでも、誰もが考えもしなかった偉業を達成したミラクルワーカーたちに期待を寄せずにはいられない。いまはただ、勝利を喜びつつしっかりと身体を休めて次の戦いに備え、来季は新たな伝説を作り出してもらいたいものだ。
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