ミラン、王者ユベントス相手に鬼気迫るプレー
「リーグ戦で10月から猛烈な追い上げを測っていたから、疲れるのは当たり前。そして(優勝を決めて)ずいぶん前にコンセントを抜いていたから、準備も大変だった。とはいえ、ミランは非常にいい試合をした。前半は全く彼らに押されてしまっていた」
コッパ・イタリアを制したユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督は、試合後の記者会見でミランの健闘を讃えていた。事実同監督は、試合が終わってセレモニーが始まるまでの間、ミランの選手一人一人に挨拶に行っていた。悔しさも露わに立ち尽くしていた本田圭佑にもだ。
久々に良い内容だった。「良いプレーよりは結果が重要」と語っていたクリスティアン・ブロッキ監督は、プレスからのショートカウンターでユーベを攻略するというプランでチームをまとめた。
しかも、高い位置から相手を捕まえに行く。アンドレア・ポーリをエルナネスにぶつけ、DFラインにもプレッシャーを掛ける。そして相手がボールをこぼせば、リッカルド・モントリーボやユライ・クツカが体を張って拾いまくる。
特にモントリーボは見るからに気持ちの溢れるプレーで、ルーズボールを次々と奪取し攻撃へとつなげていた。試合前のメンバー紹介ではブーイングを上げたミラニスタもいたのだが、鬼気迫るプレーを前に歓声へと変わっていた。
守備から入るようなアプローチでも、選手たちが一つの方向を向いていれば、攻撃でも一体感が出てくる。ブロッキ監督就任後はダラダラとしたパス回しばかりが目立っていたが、スピーディでアグレッシブなサッカーでユーベを押し込んでいた。
【次ページ】本田は攻守で奮闘。“個”でもチャンスを演出