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香川真司 9年前

香川起用はわずか15分間。疑問残るドルトの守備的戦術。トゥヘルが巨大なペップに屈したポカール決勝

text by 本田千尋 photo by Getty Images

リーグ戦同様、耐える展開。そして切った「香川」というカード

 トゥヘルの守備戦術は、これまた第25節と同じく、バイエルンを苦しめることには成功した。前半のバイエルンは一発で裏を狙い、ロングボールやドリブルを多用するなど、攻撃に落ち着かないところがあった。

 11分にはオーバメヤンが右サイドを抜け出すなど、カウンターを仕掛けつつ0-0で折り返した前半は、トゥヘルの狙い通りだったと言えるだろう。ビュルキは「僕らはバイエルンのゴールを防ぐために全てを尽くして戦った」と振り返る。

 後半も似たような展開となる。バイエルンは左サイドの裏を何度も突いて来て、ゴール前でのチャンスに繋げたが、ドルトムントは最後のところで踏み止まった。

 そして85分にカウンターから絶好機を迎える。フンメルスは「オバによる試合に勝つためのとてつもないチャンスだった」と振り返る。右サイドを抜け出したピシュチェクの折り返しを、しかしオーバメヤンはダイレクトでゴールの上に外した。

 こうして、耐えては速攻を仕掛ける戦術で90分間を0-0で終えたまでは、3月の第25節と変わらない。しかし違うのは、延長戦が用意されていることだ。そして、このことも香川がベンチスタートとなった要因かもしれない。

 延長戦の後半頭から香川は投入された。もし0-0のままで良いのであれば、香川ではなくシャヒンが投入されただろう。試合を決めるための最後のカードとして、香川はベンチに座ったのだ。

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