本田は率先してチームスピリットを示せるか
簡単に言ってしまえばシニシャ・ミハイロビッチ前監督の時代に重視したことに戻すといったことだが、明日の本田の役割もそうだろう。サイドで守備に加わりながら、攻撃では臨機応変に中へと絞って、前線をフォローするという二面のプレーをこなすということだ。
前節ではシュートチャンスでのミスの印象が大きく、その点では擁護しかねる部分も確かにあった。だが後方の守備に手を貸しつつ、ボールを繋いで前に運ぶというプレーそのものの出来は悪くなかった。
ハードワークを評価するのは10番としてどうか、と批判する向きもあるだろうが、本田がフォア・ザ・チームの精神を見せなければ今のミランはいよいよ機能しなくなる。チーム全員に必要とされるこのスピリットを、プレーの中で率先して示すことが求められる。
もっともユベントスは、そのハードワークという点でリーグで頭一つ抜けており、欧州でも屈指の存在である。プレスは執拗に掛けてくるし、カバーリングも早い。クアドゥ・アサモアの屈強な当たりやパトリス・エブラのカバーリングを振り切れば、そこにジョルジョ・キエッリーニが厳しく体をぶつけてくる。
これを力強く振り切りつつ、バッカを孤立させないようなポジショニングやパス出しができるかどうか。
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