ミラン、決勝目前も…不安残るチームに発破
「選手たちはそれぞれの愛着とプロとしてのスタンスを持っている。ただ、明日の関心事は一つだ。多くの選手たちにとっては勝つ上で最後のチャンス。契約切れになるものにとっては、勝てば良い記憶とともにチームを去ることができるし、移籍をする者は良い思い出とともに次のチームへと移籍できるだろう。そして残留するものにとっては、残るにふさわしいものとして堂々と残留ができるようになるだろう」
随分と生々しい表現だった。20日、コッパ・イタリア決勝開催地であるローマで記者会見に応じたクリスティアン・ブロッキ監督は、記者会見でこのように語っていた。
多くの選手たちはもう心ここにあらずな状態で、こうでも言わないとモチベーションを焚きつけられない、ということなのだろうか?
いずれにせよミランは、メンタル的に良くない状態で決勝を迎えることとなった。リーグ戦の最終節、15日のローマ戦は傍目にもガッツに欠けるプレーで大敗。全体は間延びし、攻守に渡って連携不足。ハードワークをしなければ勝負にもならないユベントス戦を前に、大きな不安を残すことになった。
そして前節では途中から4-3-1-2を放棄したブロッキ監督は、コッパ・イタリア決勝では別のシステムを頭からぶつける。カルロス・バッカを1トップに起き、ジャコモ・ボナベントゥーラを左ウイングに、そして本田圭佑を右に置いた4-3-3。目的はやはり、チームとしてのハードワークを取り戻すためだと考えられる。
守備の際にはボナベントゥーラや本田が中盤の深い位置までしっかりと下がり、4-5-1の状態で守備のラインをきちんと築く。こうしてユーベの攻撃を寸断し、カウンターに持っていこうという算段である。「明日は内容よりも結果が問われる試合だ」とブロッキ監督は語り、ポゼッション云々よりも勝つためのハードワークを重視するという姿勢を掲げた。