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Jリーグ 9年前

フォルランがセレッソで伝えたかった“サクリフィシオ”。父から教えられた「犠牲心」【フットボールと言葉】

シリーズ:フットボールと言葉 text by 竹澤哲 photo by Getty Images

熱心に語ってくれた、日本の改善すべき点

2010年のワールドカップで最優秀選手に輝いたフォルランは、同大会の厳しさを熟知していた
2010年のワールドカップで最優秀選手に輝いたフォルランは、同大会の厳しさを熟知していた【写真:Getty Images】

「まだたくさん試合は残されているし、どこも実力は伯仲しているから、まだ分からない。数試合に負けてしまったことはたしかだけど、でもどの試合も接戦だった。大きな力の差はなかった。勝てない試合が続いているけれど、でも次の試合から6連勝することだってあるんだ。

 そうなれば上位に上がることもできる。セレッソはいいチームだし、監督もいい仕事をしている。監督は自分の考えをチームに浸透させようとしているけど、それは簡単なことじゃない。でも慌てずに、しばらく辛抱してがんばれば、勝利し始めるだろう。そして順位も、少しずつ上昇していくはずだ」

 どの問いに対するフォルランの答えも短かった。それでもプロである以上、受けた取材にはきちんと答えようとする姿勢は感じられた。

 比較的熱心に答えてくれたのは、ブラジルワールドカップで一勝もできなかった日本はどういった部分をよくすべきかという問いに対してだった。フォルランはコートジボワール戦とコロンビア戦はダイジェストでしか見ていなかったが、ギリシャ戦は最初から最後まで見たという。

「よくしなければいけない点というのは、試合によるものだし、一口では答えることはできないね。コートジボワール戦でも最初は勝っていた。その後、残念ながら、ミスがあったりして負けてしまった。日本は技術的にもフィジカル的にも、また戦術的にも高いレベルだった。

 どの試合も、失望を感じるような内容ではなかったんだ。いや、むしろその反対だ。日本はアジアチャンピオンであるし、出場国の中でも一番にワールドカップ出場を決めた。しかしワールドカップにおいてはチャンスも少ないし、ミスは許されない。少ないチャンスを確実に決めないとだめなんだ。

 ワールドカップには世界最高のチームが集まっている。だから、勝つこともあれば負けることもあるし、優れているチームがいつも勝てるとは限らないのだ。フットボールとはこのようなものなんだ。日本はこれらの試合から多くを学びよい経験となったはずだ」

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