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プレミア優勝もメダルもらえず…控え選手に“証”を与えない「余計なルール」。出場数だけではない貢献度

text by 山中忍 photo by Getty Images

世間も指摘する「中途半端で余計なルール」

シュウォーツァー
レスターのGKマーク・シュウォーツァーはチェルシー時代に特例でメダルを受け取っている【写真:Getty Images】

 当時は10試合だったリーグ規定の最低出場試合数は、2012/13シーズンから現在の5試合に半減されてはいる。だが今季プレミアのトップ6を眺めてみても、5試合以上の条件を満たしている控えGKはいない。繰り返しプレミア優勝の機会に恵まれる選手の数は限られるだけに、もらえるのであればもらいたい心境は、GKに限らずフィールド選手も同様だろう。

 出場数5試合未満の選手が絶対にメダルをもらえないというわけでははない。怪我や病気が理由の場合、クラブの申し立てがリーグに認められれば特例措置があり得る。リーグ規定上の「有資格」選手を含むメダル贈呈対象者が40名に満たない場合、余ったメダルを贈る対象はクラブの判断に任される。

 昨季優勝のチェルシーでは、クラブが有償ベースで追加分の優勝メダルをリーグに要求し、1軍スカッドの全員にメダルが渡された。昨年1月にレスターへと移籍し、そのレスターでの今季と同じくリーグ戦では出番のなかったGKマーク・シュウォーツァーもその1人だ。

 厳しいようで厳しくないリーグ規定は、世間で「中途半端で余計なルール」と言われても仕方がない。であれば、個数に上限を設ける他は完全にクラブの判断に委ねてしまっても良いようにさえ思える。

 優勝を越えた「奇跡」の実現が万人に讃えられているレスター優勝は規定見直しの良い機会になると思うのだが…。

(取材・文:山中忍【ロンドン】)

【了】

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