ロアッソ熊本FW巻誠一郎【写真:ダン・オロウィッツ】
ロアッソ熊本は15日、明治安田生命J2リーグ第15節でジェフユナイテッド千葉と対戦した。震災の影響により5試合が延期となっており、およそ1ヶ月ぶりのリーグ戦再開となったが0-2で敗れた。
熊本の元日本代表FW巻誠一郎は、この試合で先発出場を果たしている。かつて千葉にタイトルをもたらすなどクラブの発展に貢献した巻には、スタメン発表の際に古巣・千葉のサポーターから大きな拍手が送られた。
巻は試合後、古巣の千葉に対し感謝の言葉を述べた。
「本当に千葉というクラブは僕にとっては特別なクラブですし、僕のサッカーの原点ですし、選手として育ててくれたのもジェフのサポーターであったりこのクラブだと思っています。そういうクラブと再開の場で対戦できるということは、僕にとって特別な日だったなと思います」
前半はスコアレスで折り返した熊本だったが、後半に運動量が落ちてしまい2失点。しかし、巻は故郷のために懸命なプレーを見せた。
「後半は何度も足が止まりそうになったし、何度も諦めそうになったし、何度もゴールに向かうのを止めようかと思いましたけど、そういう中で僕も含めて選手みんなか思い浮かんだのは、熊本で家がなくなったり苦しい思いをしている人の顔や思いが思い浮かんだ。そういうのに比べたら、僕らがキツいことなんてちっちゃなことだと思いますし、そういう思いが僕らの足を最後まで動かしてくれたし、ゴールに向かわせてもらったし、ボールに最後まで執着して食らいつくことができたと思います」
熊本は次節、水戸ホーリーホックと対戦するが本拠地うまかな・よかなスタジアムが使用できないため、代替地である日立柏サッカー場でホーム扱いの試合を行う。
(取材・文:今関飛駒)
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