ミラン、体たらくのプレーでファンも罵倒
ローマ戦の後半37分、交代出場したばかりのエメルソンに3点目を決められ意気消沈するイレブン。彼らに対し「働け」「クソどもが」などの罵倒のチャントが浴びせられる中、本田圭佑は手を叩きながらチームメイトを鼓舞していた。
攻撃で指示を出し、守備ではカバーに周り、されど周りは動かずパスもつながらない。90分間、そんなシーンの繰り返しとなっていた。チーム最多の4本のシュートを放ち、後半29分には強烈なヘディングシュートでゴールにも近づくなど気を吐いていた本田だったが、意気消沈するチームの中で連携の構築に苦労する様子が目立った。
クリスティアン・ブロッキ監督就任7試合目で、初めての“格上”との対戦。これまでは格下相手に守備を固められ、これを崩せずにダラダラとパスを回してポゼッション率だけが高くなっていたミランだったが、ローマ相手にはボールをつなぐことも許されなかった。
前線のプレスが早く、一人をかわしてもすぐにパスコースが消される。このような状況では最終ラインがパス回しの土台を作れるはずはなく、ボールはどんどん後ろに下げられてしまう。先発した18歳のマヌエル・ロカテッリにも荷が重かった。度々ボールをロストし、チームの1失点目には彼のミスパスが原因となっていた。
そういう状況だったので、例によってトップ下にいる本田の足元にパスを入れようとする味方は少ない。そこで下がってボールを受けて、パスを散らそうとすれば、今度は味方が走らないのでコースが生まれない。本田はボールをキープしながら、周囲に「走れ」と指示を出すのだが、味方はじっとするままだった。