ラージョ・バジェカーノの主将ロベルト・トラショーラス【写真:Getty Images】
2部降格の危機に瀕するラージョ・バジェカーノに八百長疑惑が浮上した。スペイン紙『エル・ムンド』が報じている。
問題となっているのは今月8日に行われたリーガ・エスパニョーラ第37節のレアル・ソシエダ戦だ。1部残留のために負けられない一戦だったが、12分と50分に得点を奪われたラージョは1-2で敗れた。同紙によれば、この試合でラージョの選手数人がわざと負けるようなプレーをした疑いがあるという。
議論の発端となったのはオンラインベッティングサイト『Bet365』における試合前のオッズが異常な値を示したことだった。当初2.60倍となっていたホームのレアル・ソシエダ勝利が、週半ばには一気に3.80倍まで跳ね上がる不自然な動きを見せた。
運営側がこの異常な値に気づき、試合前にはレアル・ソシエダ勝利の倍率は2.70倍まで修正されたものの、一連の動きとラージョの敗戦がリンクしているのではないかと疑いがかけられている。
一方、ラージョ側はこの疑惑を真っ向から否定している。13日に選手全員とパコ・ヘメス監督、ラウール・マルティン・プレサ会長が出席して記者会見を開いて疑惑についてコメントした。
選手を代表してマイクの前に座ったGKコベーニョは「選手の80%は来季も契約があり、(2部降格なら)50〜70%の給与削減を被るだろう。こういった契約あるにもかかわらず、その影響を考えると不合理。我々はすべての疑いに対してクリーンである」と主張した。
プレサ会長やパコ・ヘメス監督、コベーニョと同じく選手代表として出席したロベルト・トラショーラスの発言も疑惑の一切を否定するもので、ラージョ全体として疑惑と戦う姿勢を明確にしている。
現在19位のラージョは15日にリーガ・エスパニョーラ最終節でレバンテと対戦する。この試合に勝利しても他のチームの結果しだいでは2部降格が決まってしまう。八百長疑惑を晴らすためにも、まずは勝って残留を諦めていないことを示さねばならないだろう。
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