A代表のレベルアップには不可欠な若手の台頭
8月に開幕する2016年リオデジャネイロ五輪に挑むU-23日本代表。彼らの初戦の相手・ナイジェリアとの仮想試合と位置づけられたのが11日のガーナ戦(鳥栖)だ。
アフリカ勢特有の身体能力を持つ相手にどこまで戦えるか注目された一戦だったが、開始15分間で矢島慎也(岡山)が2ゴールを叩き出し、新戦力の富樫敬真(横浜)も前半のうちに1点を追加するなど、終わってみれば3-0の快勝。五輪前哨戦としてはやや物足りない内容だったと言える。
今回はキャプテン・遠藤航(浦和)、負傷離脱中の中島翔哉と室屋成(ともにFC東京)、鈴木武蔵(新潟)ら1月のアジア最終予選の主力が不在の中、サバイバルの意味合いの強いゲームだった。
先発11人中4人が最終予選に参戦していないメンバー。五輪本番への生き残りはもちろんのこと、9月から始まる2018年ロシアW杯アジア最終予選に挑むA代表に昇格できる人材がいるかどうかも試される重要な場だった。
リオ世代を見渡すと、A代表定着を果たしたと言えるのは遠藤航1人だけ。南野拓実(ザルツブルク)、浅野拓磨(広島)らは招集経験があるものの、まだ当落戦上にいるのが実情だ。
今のヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表は三度目のW杯最終予選に挑む長谷部誠(フランクフルト)、本田圭佑(ミラン)、岡崎慎司(レスター)、香川真司(ドルトムント)ら主力への依存度が高い。チームの底上げを図る上でも若手の台頭が必要不可欠だ。主力を脅かすような選手がいるかどうか見定めるという意味合いもガーナ戦ではあった。