ドイツ人にとって国外移籍は「挑戦」ではない
そういった点で、フンメルスはミュンヘンが故郷であることと、家族や友人の存在を、自身のフェイスブックで今回の移籍についてのメッセージに記している。ドイツ人は、家族との繋がりを大切にし、郷土を愛する気持ちが強いところがある。毎年、祖父母の家に集まるなどして家族でクリスマスを祝う。隣町のビールを敵視し、地元のビールをこよなく愛する。
先述のビルト日曜版のインタビューで「今のところ38歳までプレーする予定はない」と語ったように、今27歳で年末には28歳になるフンメルスは、サッカー選手としてのキャリアの最後を見据えているのだろう。
選手人生の晩年を家族や友人と、育ったミュンヘンで過ごす。トップチームでは公式戦2試合の出場に留まったが、ユース時代を送ったバイエルンで最後を迎える。それまでにCLを含む多くの「タイトル」を獲りに行く。
また“ドイツ人”は、必ずしも国外移籍を挑戦とは捉えていないようだ。ドイツ代表監督ヨハヒム・レーブは、11日付の『シュポルトビルト』誌に対して「我々の代表選手がドイツでプレーすることを嬉しく思う」とコメントを残した。
レーブにとってブンデスリーガは、プレミアリーグやスペインリーグと少なくとも同じくらいに力強く魅力的なのだという。
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