選手たちが警戒するFCソウル
8年ぶりとなるACLの決勝トーナメント進出を決めた浦和は、ベスト16でFCソウルと対戦する。浦和の選手たちは、高萩洋次郎も所属するこのチームを強く警戒している。
「どうせ強い相手と後々戦うのであれば、早い方がいい。そこで勝って乗るっていうのもある。FCソウルが本命かなと思うので、そこは打ち勝ちたい。広州恒大にも勝てるチームだから、FCソウルに勝つなら僕たちだなと」(興梠)
「(第1戦は)ホームだし、失点ゼロでいけば必ず突破できると思う。楽しみですね。韓国で一番良いチームなんで。日本で一番良いチームと戦ってどっちが強いのかっていうのは見てる人も楽しいと思う」(李)
「洋次郎とも対戦できますし、FCソウルの方が力があるといわれている中で、そういう相手に対して結果を残すことができれば良い自信を付けられると思うので、チャレンジャーとして戦っていきたい」(西川周作)
また、2007年のACL優勝メンバーの一人であるキャプテンの阿部勇樹も、「リスク管理はFCソウル戦でも非常に重要な部分になってくるので、(大宮戦は)勝ったけどそういう部分はまた意識してやっていきたい」と、ダービーでの勝利にも気を緩めない。
無冠が続く浦和だが、平川が言うように、グループステージでの戦いを通じてチームの成熟度は増してきている。
「決勝トーナメントに進めばいいわけではなく、目標とするタイトルに向けてまだまだ厳しい戦いも続きますけど、そういう経験もしていますので。伝えられる部分は伝えたり、いろいろやっていければいいと思います」
浦和一筋15年目の最古参は、以前ほどの出場機会を得ることはできなくなったかもしれない。だが、その豊富な経験をチームに還元することを誓っている。
さいたまスタジアムの赤きサポーターは、再び栄光の時代が訪れることを強く望んでいる。“あの頃”の栄光が虚栄心に変わってしまわないためにも。
(取材・文:今関飛駒)
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