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Jリーグ 9年前

浦和、再び栄光の時代は訪れるか。“あの頃”を知る唯一のベテランが実感した成長と攻撃陣が語る守備の充実

text by 今関飛駒 photo by Getty Images

興梠と李が語った守備の充実

興梠 李
守備の充実を語った興梠慎三(左)と李忠成(右)【写真:Getty Images】

 2012年に就任したミハイロ・ペトロヴィッチ監督が掲げてきたのは、“美しいサッカー”であった。細かなパスワークによってゴールを狙う攻撃的スタイルこそが、“ミシャサッカー”の真骨頂だった。

 だが、スタイルにこだわりすぎるあまり攻撃が単調になり、パスワークが封じられると自らリズムを崩してしまうことは多々見受けられた。しかし、今季になって浦和の選手が口を揃えて話すのは、守備のことだ。

 2年ぶりの開催となった大宮とのさいたまダービーで勝利した試合後、槙野智章は試合を振り返っている。

「ボールを持たれても、相手に攻め込まれる時間があっても、跳ね返す、我慢するだけのメンタルが備わったと思います。決定的な場面を作られることもありましたけど、我慢することによってまた自分たちにチャンスがあるという自信があった。だからこそ前半終了間際にああやってゴールを決められた」

 浦和は柏木陽介が前半終了間際に挙げたゴールを守り切り、1-0で勝利している。大宮のカウンターに苦しめられる場面もあったが、最終的には完封して首位をキープすることに成功した。

 もちろん、槙野が守備のことを語ったのは彼がDFだからというのもあるかもしれない。しかし、攻撃陣も同様に守備の進化を実感している。

 1トップとして攻撃の中核を担っている興梠慎三は、「今はみんながハードワーク出来ていて、取られたらすぐに取り返す、変なところで取られないっていうところですね。守備も高いところでできていて、そこからゴールっていうのもあるので、それは強い証拠ですね」と、ACL浦項戦後に語った。

 また、2シャドウの一角として興梠、武藤雄樹と前線を構成する李忠成も、「ディフェンスで上手く守れている。今年は(遠藤)航も入ってから2対2の局面でもしっかり守ってくれるというところが今のレッズの強みだと思うし、後ろがビルドアップをうまくやってくれる」と、守備の充実を口にした。

 決して自慢のパスワークが失われたわけではないが、そのベースに守備の向上も加わりつつある。

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