“あの頃”を振り返った37歳のベテラン平川忠亮
浦和レッズの2016年は、敗戦からスタートしている。元日に行われたG大阪との天皇杯決勝を1-2で敗れた試合で、浦和の新年は幕を明けた。
振り返れば、ここ数年の浦和は失望とともにシーズンを歩んできた。2011年と2013年のナビスコカップは決勝で敗れ、2014年のJリーグではまさかの終盤失速でG大阪に逆転優勝を許した。昨年もそのG大阪にチャンピオンシップ準決勝で敗れ、無冠に終わっている。
昨年は1stステージを制したものの、主要タイトルからは8年間遠ざかっている。彼らは今年、そんな無冠時代に終止符を打とうとしているのだ。
「見ていて安定感がありますし、試合ごとに成長していく姿、そして選手層は“あの頃”と同じくらい厚いと思う」
そう語ったのは、平川忠亮だ。“あの頃”とは、浦和にとって唯一のJリーグ優勝を果たした2006年と、ACLを日本勢で初めて制覇した2007年の2年間である。
今季の公式戦出場はいまだ1試合だが、37歳のベテランは“あの頃”を知る唯一の選手である。
その2年間は、クラブにとって栄光の時代でもあった。当時のチームとの違いを聞かれた平川は、「共通点はないですよね。全く違うチームですし、監督によってやるサッカーも変わってきますし。メンバーも自分しかいないですから」と振り返った。
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