ラニエリのために。岡崎にとっても父のような存在
岡崎のメンタリティーにはファンも心を打たれたが、より重要なのは、彼の奮闘がクラウディオ・ラニエリ監督に与えた印象だ。ラニエリ自身も過去に、イングランドのサッカーの激しさや言語に適応する過程を経験してきた男だった。
より激情的なナイジェル・ピアソンに代わり、岡崎の加入直後に就任したラニエリは、彼にとって「父親的な存在」になるとバンジは予想していた。
「最近デマレー・グレイ(レスターの若手MF)のインタビューを見ましたが、ラニエリのことは大好きなおじいちゃんのようだと言っていました。シンジにとっても同じことだったはずです。ラニエリには、この監督のためにプレーしたいと選手たちに思わせる何かがあります。
チーム内に自分勝手な選手があまりいないことも好材料です。スポーツの歴史上最大級の偉業を成し遂げることでレスターはそれを証明しました」
決して忘れられることのないシーズンに果たした貢献が、岡崎にとって誇るべきものであったことは間違いないだろう。
(文:ショーン・キャロル)
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