岡崎の加入に最初は疑問を抱いた現地ファン
昨年8月に、岡崎慎司が新天地レスター・シティでどれだけやれるかと思いつつ2015-16シーズンのプレミアリーグを展望する記事を書いたことがあった。イングランドで大きな成功を収めた日本人選手がほとんどいない中、残留を争うことが予想されるチームで日本の9番がどれほどの出場時間を得られるだろうか、というのがその時点での着目点だった。
終わってみれば、選手とクラブの双方にとって、予想されたよりも少し良いシーズンになったと言える(編注:ショーン氏は以下のように記述していた「岡崎がレスターとの4年契約を全うするためには、リーグに素早く順応し、彼自身のやり方で好機を逃さないことが必要不可欠である」)。
常識を覆したレスターのリーグ制覇の興奮が冷めやらぬ中で、フォクシーズ(レスターの愛称)のファンであるマユール・バンジにもう一度連絡を取ってみた。彼にはシーズン前にも、岡崎獲得当初のファンの反応を窺うため話を聞いたことがあった。
元清水エスパルスのストライカーが加入した時点で、レスターのファンが抱いた一般的な感覚を振り返ってみれば、「本当に必要な選手なのだろうか?」というものだった。
その時バンジの話してくれた理由には十分な説得力があった。チームにはすでにレオナルド・ウジョア(レスターが劇的に降格を回避した前年のチーム得点王)、アンドレイ・クラマリッチ(2015年1月に加入し高評価を得ていた)、経験豊富なデイビッド・ニュージェント、さらにはジェイミー・ヴァーディー(現在ほどの点取り屋ではなくとも悪くない選手だった。
2014-15シーズンにはイエローカードを受けた数と同じ5得点を記録)がすでに在籍していたためだ。5人目のストライカーをどういう形でチームに組み込むのか、組み込むことが可能だとしても岡崎がすぐにチームに馴染むことができるのかどうかは全くの未知数だった。
「結果的に、岡崎はチームにとってぜひとも必要な選手でした」とバンジは語る。