「岡崎は中盤でも、ウイングでも、ストライカーでもないが…」
現在スカイスポーツで解説者を務めるコッティー氏を取材したのは、4月のことである。その際には、日本代表ストライカーを次のように評価していた。
「確かに5得点はFWの選手としては物足りない。しかしヴァーディーのサポート役や中盤と前線のつなぎ役をして、ワークレートも非常に高い。今季の岡崎は中盤の選手でもないし、ウイングでもないし、ストライカーでもない。ただDFが最も嫌がる場所を見つけては、味方に良いボールを引き出している。ピーター・ビーズリーみたいな選手だ(80~90年代にニューカッスルやリバプールで活躍したイングランド代表FW)」
高級紙『ガーディアン』電子版で人気を博しているマイケル・コックス氏の戦術コラムでも、4月のウェストハム戦での岡崎のパフォーマンスについての分析記事を紹介。その中では「インテリジェンスが高く、サポート役を見事にこなした」と手放しで褒め、「交代はサプライズだった」と、ここでも岡崎の途中交代について異論が唱えられていた。
だがすでに優勝が決まり、今後は岡崎が越さなければならないハードルも高くなる。風向きもきつくなるのは間違いない。最近では、毎日のように「レスターが新FW獲得に動いている」という見出しが紙面を賑わし、今日もまたスペインのデボルティボ・ラコルーニャのストライカーにオファーを出す可能性を報道。『メトロ』紙は、「岡崎からの“グレードアップ”のためにルーカス・ぺレス獲得に乗り出している」と記されている。
これらの報道の信ぴょう性や、レスターが新FWを獲得するかは定かではない。唯一分かっているのは、優勝直後で喜ぶのもつかの間、シーズンがまだ終了していないにもかかわらず、岡崎の目の前には新たな挑戦が近づいているということだ。
(取材・文:Kozo Matsuzawa / 松澤浩三【イングランド】)
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