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Jリーグ 9年前

柏・監督交代後の快進撃。川崎F戦黒星も視線は前へ。主軸担うアカデミー出身者たち

text by 藤江直人 photo by Getty Images

高い技術力による最終ラインでのボール回し

川崎戦までフル出場を続けた中谷進之介
川崎戦までフル出場を続けた中谷進之介【写真:Getty Images】

 ポゼッションサッカーの生命線となる最終ラインによるボール回しを、スポルティングCPから約1年半ぶりに復帰したMF田中順也は「本当に上手いよね」と、笑顔を浮かべながらこう続ける。

「後ろのメンバーのパスの回し方なんかは、完全にユースのときからやっているパスの回し方ですからね。トップチームとユースで試合をやるときはあんな感じで回してきていたし、(小林)祐介や秋野(央樹)たちがまだユースにいたときには、トップチームでもけっこう回されちゃうくらいだったので。そのメンバーたちがいまのチームの基盤となって、Jでしっかりとプレーできているのは本当に心強いと思う」

 下平監督は可変システムを採用している。基本陣形の「4‐4‐2」が、マイボールになると中谷を3バックの中央とした「3‐4‐3」へと変化。中山は左センターバックから左ストッパーへポジションを変え、左利きという武器を生かして、長短のパスを味方へスムーズに配球している。

 サイズと強さ、そして何よりも経験が必要とされるセンターバックというポジションにおいて、合計年齢が39歳というコンビは極めて珍しい。近年では鹿島アントラーズが世代交代を進めるために、2014シーズンに21歳の昌子源と19歳の植田直通を組ませたことで大きな脚光を浴びている。

 中谷も昨シーズンまでの2年間でリーグ戦8試合に出場しただけだったが、一転して今シーズンは開幕からフィールドプレーヤーではただ一人、全11試合、990分間にわたってフル出場を続けている。

「落ち着きというものは試合に出て初めて得られるものだと思うので。いまは動揺することなくプレーできているというか、そういう点は今シーズンのJリーグでずっと出られているなかで得られているものかなと思っています」

 Jリーグが制定する4月度の月間MVPにノミネートされた中谷が充実感を漂わせれば、来年5月に韓国で開催されるU‐20ワールドカップ出場を目指す、U‐19日本代表に名前を連ねる中山も続いた。

「自分にとっては試合に出られていることが、すべてのシーンというか、本当に1秒1秒が自分の実になっています。自分が試合に出ているときは、経験の部分でいろいろと言われてしまうこともあると思いますけど、それを補えるような技術や、あとは……とにかく、経験不足と言われないように心がけています」

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