セレソンのキャプテンとして求められる成熟
2015年11月8日に行われたビジャレアル戦で見せた、かつてのペレのプレーを彷彿させる見事なシュート。スアレスのパスをツータッチでボールを浮かせ相手ディフェンダーの頭を越えさせ、自らは反転してボレーで決めたシュートなどは、必ず伝説として、代々語り継がれていくはずだ。
24歳になったネイマールだが、サントスの監督と揉めたこと、ビルバオ戦でのランブレッタ、コパ・アメリカでコロンビア選手にボールをぶっつけたこと、そしてさらにバレンシア戦の素行不良と、これまで4度大きな批判にさらされてきた。
自らが信条とするプレーへのこだわりから、単にプレーを邪魔してくるような相手DFは許せない。美しいフットボールを目指し、フットボールへの純粋な愛情から、引き起こしてしまったのだろうと、理解できなくもない。しかしネイマールがまだ大人として、今ひとつ成熟していないこともたしかなことだった。
南米予選を戦うブラジル代表のふがいない戦いぶりが続く中、ザガロはキャプテンである彼の振る舞いについて、「ブラジル代表を引っ張っているのだという自覚がまだ足りない。さらなる成熟度が求められている」と苦言を呈している。
2016年夏に行われるリオ五輪にはオーバーエイジとして出場し、おそらくキャプテンとして若手を引っ張ることになるだろう。さらに2018年ワールドカップ予選を通じて、さらに成熟していくことをネイマールは求められている。
ネイマールが人間的にも一皮むけたとき、彼もまたフットボール史に名を残す、偉大なプレーヤーの仲間入りを果たすことになる。そしてまた、彼が大切にする2つの言葉を実践することでネイマールらしさをさらに際立ていくことになるだろう。
(文:竹澤哲)
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