物議を醸し出してしまう“青さ”
それは一つには、ビルバオとセルタのチームの格の差から来ているのではないだろうか。アスレティック・ビルバオは一度も2部に落ちたことのない、リーガ優勝8回を誇る名門かつ古豪である。一方セルタ・デ・ビーゴはリーガ優勝経験もなく、ビルバオと比べたら歴史も浅い。そのようなクラブとしての重みがビルバオにはある。そこから来ているのではないかと。
あるいはネイマールにはまだプレーヤーとして成熟してない“青さ”を批判する向きもあったのかもしれない。なぜなら“ランブレッタ騒動”後1ヶ月もたたないうちに再び、ネイマールは物議を醸し出すことになるからだ。
チリで行われたコパ・アメリカにおいてブラジルはグループリーグのコロンビア戦を0対1で落とした。試合終了直後のことだった。ネイマールは自分のところに来たボールを思いっきり蹴り、コロンビアの選手にぶつけたのだ。それにコロンビアの選手が怒り、両チームの選手が入り乱れた乱闘に発展した。
ネイマールに対してはレッドカードが出され、ネイマールは4試合の出場停止処分を受けることになる。つまりたとえブラジルが決勝進出を果たしても、ネイマールはもう出られないという結果を招いてしまったのだ。
結局ブラジルは準々決勝でパラグアイに敗れて敗退する。ネイマールはワールドカップで怪我をさせられたコロンビアが相手ということで、また審判の判定にとてもナーバスになっていたとはいえ、しかしキャプテンとしてネイマールのとった態度はけっして褒められるものではなく、ブラジル内外から大きな批判を受けることになった。
2015-16年シーズン、リーガ3年目となり、ネイマールはメッシ、スアレスと共に3トップMSNを形成し、得点を量産し、さらなる大活躍を見せている。彼自身が忘れてはならないとタトゥーした、オウザジーアとアレグリーア(大胆さと歓び)という言葉は、そのプレーの随所に見られるようになってきた。