BVBの布陣変更。主導権握るも、香川は手応え感じず
カウンターの怖さもあった。
「(ボールの)取られ方が悪いとカウンターを食らうし、そこでやはり攻撃のスイッチがもっと入れば良かったんですけど、動き出しもちょっと悪かった」
不慣れなダイヤモンド型に「多少なりともとまどいもありました」と香川は話したが、ドルトムントの誰もが「とまどい」を感じたことだろう。長谷部は「いつものドルトムントの怖さというのはあまりなかった」と言う。そうこうするうちに、14分、右のショートコーナーから長谷部の折り返しを、アイクナーにヘディングで決められてしまう。0-1。
どうしても香川と周囲との連携が噛み合わないところもあり、トップ下が機能しなければ、チームは攻撃の精度を欠くことになる。24分、40分と左のロイスの折り返しからオーバメヤンがゴールに迫ったが、決め切ることは出来なかった。
もちろんこれは香川のパフォーマンスの問題というよりは、両チームのスタイルの相性の問題だ。「とにかく真ん中を閉めてやっていた」3CBとダブルボランチに対して、トップ下が1人では分が悪い。
そこで監督トーマス・トゥヘルは、後半に向けて再び布陣変更する。
ラモスとオーバメヤンの2トップに、ロイスと香川とムヒタリヤンの3枚が並ぶ。左SBのシュメルツァーが高い位置を取り、ベンダー、ソクラティス、フンメルスが3バックを組んだ。
前半に比べれば、香川の負担も軽減して、よりドルトムントは主導権を握った。そして初夏のうだるような暑さもあって、ボールを回し続ければ、後半も時間が進むにつれて、フランクフルトの固いディフェンスも崩れていく……そういった手応えを、香川は「あんまり感じなかった」。
「スペースが余りにもなさ過ぎたし、3バックが本当に強さもあった。こっちに効果的なパスがあまりなかった。こっちのミスもありましたけど、ショートパスからの展開が多かったので、もっとロングパス、ロングパスで振っていければ、もうちょっと相手は守りにくかったんじゃないかなと思っています」