本田、強引さ出せずガス欠で交代
ただし、それは序盤の話。前述の通りボローニャが10人になると、彼らは意を決してゴール前を固めたため、トップの後ろに流れるスペースが潰された。
こうなると仕掛けづらい。展開は滞り、密集した中央のゾーンには後方の味方が怖がってパスを入れてこない。そこで本田はサイド、中盤と広く動きながらパスを散らそうとするのだが、彼自身も少し強引さに欠けていたような印象があった。
22分、エリア手前中央の位置でボールをもらいながら、ミドルシュートではなくパスを選択。また26分にも、サイドでノープレッシャーだったがクロスではなく横パスを選択していた。
自らがFW的に縦に走り込み、奥へボールを引き出してチャンスを作ろうとしたシーンも2度あったが、折り返しは不正確。もっとも36分には、相手のクリアボールを拾って強烈なミドルシュートを放っている。しかしこれも、GKにキャッチされた。
後半、クリスティアン・ブロッキ監督は前線に修正を加える。「前線にスペースがなかったので、ルイス・アドリアーノと本田をワイドに張らせようと考えた」のだという。本田は右へ移動。こうしてプレッシャーから逃れたところからスタートし、相手の守備組織が拡がった隙間を使えるようになり、前半よりはスムーズにボールが触れるようになった。
ただ、それでもなかなかチャンスは作れない。パスを出しても味方がロスト、リターンも返ってこないのでプレーが続かない。自身も時折パスをミスし、後半35分にはほぼノープレッシャーだった右クロスを失敗する。この直後ブロッキ監督はアップをしていたケビン・プリンス・ボアテンクをベンチに呼んで投入準備をさせたため、このミスでガス欠と判断された疑いもある。