ミラン、10人のボローニャに大苦戦
勝つには勝った。しかしまたも苦戦だった。「悪くない内容の試合だとは思う。だけど、もう少しやれた気がする」とDFフィリップ・メクセスは語ったが、そのセリフが全てを表していた。
結局図式はこの数試合と変わらなかった。ゴール前と中央のゾーンを固められて攻め込むことができず、どんどん展開が遅くなるというパターンだ。ボローニャは4バックに守備的MF2枚を並べて、DFラインの前に人数を掛け、スペースを潰してきた。
その守備的MFの一角を構成していたアマドゥ・ディアワラは、開始12分で2枚目のイエローカードを喰らってしまい、早々に退場してしまう。しかしロベルト・ドナドーニ監督は守備的な選手を導入することなく、トップ下のフランコ・ブリエンツァを一列下げることで守備のブロックを維持。選手の退場により、守備の意思統一がなされたことでボローニャはさらに集中し、ゴール前にはますますスペースがなくなった。
そして、ミランの攻撃陣は大いに手を焼いた。スペースがなく、ゴール前には誰も入っていかないので、外からミドルパスやクロスを放り込むにもやりようがない。有効な手立てはルイス・アドリアーノの走り込みぐらいしかなく、結局彼が呼び込んだファウルがPKとなり、決勝点となった。
そういった意味で、この試合の本田圭佑のパフォーマンスも、さほど良かったとは言えないものだった。
マリオ・バロテッリが風邪をひいて先発から外れたためか、この日のスタートポジションは前節フロジノーネ戦の右寄りの位置と違い、ピッチの中央寄り。いわゆる典型的な『2トップの後ろ』としての位置から左右に流れ、パスの中継点となって展開を作っていた。