バルサ2年目、物議を醸すことになったオウザジーア
ワールドカップ後、ネイマールはドゥンガ新監督の下、キャプテンに任命され、セレソン内での存在感はさらに増していく。それはプレーにおいてもだった。
2014年10月14日、シンガポールで行われた日本との親善試合において、ネイマールはブラジルの全4ゴールを決めている。セレソンにおいての4得点は、2000年ベネズエラ戦でのロマーリオ以来だった。
試合後のミックスゾーンで、ブラジル人記者が「ドゥンガ監督は4得点を決めたあなたについて『まるで友人と草サッカーを楽しんでいるようだった』と話しましたが、あなた自身この活躍をどのように評価しますか」と尋ねた。それに対してネイマールはオウザジーアという言葉を使って答えた。
「とても楽しめたし、オウザジーアを持ってプレーすることができた。ピッチ状態は悪かったけれど、自信を持って、チームメイトと共にいいプレーをすることができたんだ」
たしかにこの1試合を振り返れば、ドゥンガ監督のいうように草サッカーを楽しむように、プレーしているネイマールをみることができた。オウザジーアの言葉どおり、大胆に、勇敢に楽しんでいた。
バルサでは、2年目となってもメッシへの貢献は続いた。しかしその中で、自らの存在感も強めていった。新たにルイス・スアレスが加わったが、得点数も増えた。リーガにおいては1年目9得点だったのが、2シーズン目は22得点だった。
この得点数はクリスティアーノ・ロナウド、メッシにつぐ3番目であった。彼の信条とする大胆さを持ったプレーも徐々にスペインにおいても発揮されようとしていた。
ところがシーズンも終了間際の国王杯決勝戦で、ネイマールのオウザジーアが物議を醸し出してしまうことになった。
(文:竹澤哲)