スタイルは堅守速攻。要注意の選手は?
ベトナム代表クラスを揃えるビン・ズオンだが、なんといっても警戒すべきは日本でもお馴染みの「ベトナムの英雄」レ・コン・ビン。元札幌の同選手は、最近まで怪我で戦列を離れていたが、日本サッカーに最も精通しているため、東京戦も先発の可能性が高い。
昨年のACLでは、柏レイソルから決勝弾を奪っており、これまでにもここぞというところで活躍してきた所謂“持っている”選手だ。
また、生え抜きでキャプテンのグエン・アイン・ドゥックは、2014年・2015年のリーグMVPに輝いた実力派。ACLグループステージでは、ここまで4ゴールを挙げている攻撃の核だ。国内では、「ベトナムのエトー」の愛称で親しまれている。
中盤で気を付けなければならないのは、ウガンダ代表モーゼス・オロヤ。まだ若い選手だが、セントラルミッドフィルダーとして申し分ない資質を持ち、ビン・ズオンの攻撃の起点となっている。2014年の加入以降、リーグ戦、カップ戦と大車輪の活躍を見せ、数々のタイトル獲得に貢献してきた。
守備陣もベトナム代表クラスをずらりと並べた豪華な布陣。ACL対策として、徹底した堅守速攻を選択したグエン・タン・ソン監督のサッカー哲学を体現する上で、経験豊富な守備陣の存在は欠かせないものになっている。中盤より前にはスピードがある選手が多いため、カウンターの切れ味も鋭い。
ホームで行われた前節の全北戦で相手の術中にハマり0-3で完敗したFC東京としては、ビン・ズオン戦では、早めに先制して流れを引き寄せ、一気に試合を決めたいところだ。
(文:宇佐美淳【ホーチミン】)
【了】