若手を巻き込み感謝の気持ちも忘れない
安間監督はムリキが見せたプロ意識を称賛する。難しいチーム状況の中でも本人の希望を聞き入れ、J3で起用したことには大きな意味があった。
「行動することに価値があるとU-23の選手に言っている。これだけ実績のある選手が自分からここに来てコンディションを上げ、J1の試合に出るためにしっかりと条件を揃えようとする姿を彼ら(U-23の選手たち)に見て欲しかった」
その願いは見事に結実した。ムリキは試合中歩いてしまう時間や、思い通りのボールがこないことに苛立ちを見せる場面もあったが、一方で積極的に周りの選手たちとコミュニケーションをとり、判定に疑問がある場合はしっかりと主審に歩み寄って意思を伝える。ボールを持てば必ず前を向いて仕掛け、長い距離を猛スピードで駆け上がってその実力の一端を見せつけた。
「試合後のロッカールームでムリキは、『ダメな時間もあったけれど、90分間出るためにみんなサポートしてくれてありがとう』と自分から投げかけた言葉などを考えると、溶け込もうとしていることがわかりましたし、試合に出るための準備をする覚悟を決めているのかなと思います。これからの彼を見てほしい」と安間監督はムリキが見せた“真のプロフェッショナルとしての姿勢”を称えた。
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