自ら志願してJ3に出場。ピッチ内外で真のプロとは何かを示す
試合後、FC東京の安間貴義監督は記者会見で「なかなかコンディションが上がらないムリキは、自分からJ3の試合に出場したいと城福監督に直訴しました」と大物助っ人をU-23で起用した理由について説明した。苦しいチーム状況もあり難しい決断だったようだが、最終的に選手の熱意が周りを動かしてJ3出場が叶ったという。
ムリキ自身も「もちろん練習は大切だけど、試合は一番コンディションやリズムを掴むのに大切なので、自分から志願してこの試合に出させてもらうようにお願いした」と自らの強い希望でJ3に出場したことを強調した。
FC東京加入が発表されてから約1ヶ月が経過したものの、当初から負傷を抱えておりなかなか本来のコンディションを取り戻せずにいたムリキにとって「90分間やったのは3ヶ月ぶりくらいだと思う」というくらい久々の公式戦でのプレーだった。
本人によれば前所属クラブのアル・サッドと移籍問題で揉め、2ヶ月ほど試合に出られなかったという。その間はまともな練習も出来ず、コンディションを落としてしまった。さらに日本へ来る前にもふくらはぎを負傷し、FC東京に合流してからもいろいろなところに腫れが出るなど細かい問題が起きてなかなか負荷をかけられない状態が続いていた。
それでも地道に回復に努め、J3で90分間プレーしたことで「自分の中では先発でもいけるような力があると思っている」と自信を取り戻している。「こういう試合を重ねることによってフィジカルや試合の感覚をどんどんつかめると思うので、今日は非常に価値のある試合だった」と喜びもひとしおだ。
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