本田が途中交代となった理由は
24分のプレーが典型的だったのだが、中盤で相手選手を一人をかわし、味方が活用できるようなスペースを作る。そこをリカルド・モントリーボがボールを拾って突破し、細かく繋がれたボールはバッカへ渡り、最終的にはCKへとつながった。また右サイドに流れてアバーテやユライ・クツカを使って相手ディフェンスを広げようとしたり、自らが突破を掛けたりという工夫もやっていた。
スペースがないため、なかなか前に入ってシュートを打つのは難しかったが、それでもミドルで決定機を作っている。41分、ホセ・マウリからエリア手前でショートパスを付けてもらい、それをダイレクトで放つ。ゴールはならなかったが、相手GKフランチェスコ・バルディのセーブを褒めるべきところだ。
そしてチームは後半5分、カルロス・バッカのシュートで1点を返す。これを導き出したスルーパスにも見る通り、縦の展開を意識してサイドバックを使えていたのは本田くらいなものだった。
しかし、そのシステムに変更を迫られる事態が起こる。9分、モントリーボの雑なボール処理に加えてアレックスがミスを犯し、そこから失点。2点のビハインドが付き、つないで攻めている場合ではなくなった。
「より攻撃的な選手を投入したかった。ルイス・アドリアーノのスピードで縦にボールを引き出し、相手DFを押し広げる必要が出てきた」とブロッキは語った。なるほど、同じ動きは本田にはできない。FWを3枚にし、ロングボール主体で相手DFを押し下げる。そういう戦術ならば、ボールをピッチの内側に寄せてつなぐことが前提となっているトップ下は意味をなさなくなる。かくして、本田は下げられたということだ。