やるべきことは、「決定的な仕事」
―――たしかにアトレティコでも最初はバラ色の日々ではなかったね。
G とくにトレーニングのリズムに馴染むのに苦労した。最初の頃は、息も絶え絶えだった。息切れはする、足は棒になる……シメオネがトレーニングに要求する密度の濃さ、集中力の高さには、本当に驚いた。
ソシエダではあそこまでハードにはやってなかったからね。みんなが僕に期待しているのもわかっていた。移籍金が高かったからだけじゃなくてね。ただプレッシャーはなかった。僕にとってフットボールはゲームだから、いつだって楽しもうとしているんだ。
―――2014年12月、ビルバオ戦でのハットトリックが転換期になった?
G 監督は最初から言っていたんだ。僕はサイドよりもトップで活きるストライカーだと思っているって。だからできるだけゴールエリアに近い位置でプレーするよういつも言われていた。でも最初は難しかった。レギュラーでプレーしていたわけじゃなかったから、まず自分で納得がいくプレーができるようになるまで時間がかかった。
そんな僕の様子を見ていたディエゴ・ゴディンが、練習のとき何度か僕のところにきて言ってくれたんだ。「パスはしなくていいんだ。チャンスが来たら自分で決めろ。もっとエゴイストになっていいんだ」ってね。
あのビルバオ戦は、そのことを身をもって実感した経験だった。僕がやるべきことは、いかに決定的な仕事をするか、ということ。それまでは、自分が満足いくプレーをすることばかりに集中していたけれど、そうじゃなかった。僕がすべきなのは決定力を上げることだった。そしてチームを勝たせて、試合の行方を変えることだ。
―――ということで、次に会うのはユーロかな?
G そうだね、ユーロで!
(取材・文:マシュー・デラートレ/翻訳:小川由紀子)
【了】