シメオネが自信を植え付けてくれた
―――アトレティコでも主力という地位を築いているという自覚はある? かつてはアグエロ、ファルカオ、そして今はグリーズマンが攻撃の要だ。
G いや、ファルカオやアグエロと同じステータスに到達するにはまだまだ道のりは長いよ。だけど彼らの名前を引き合いに出されることは光栄で身震いする。でも僕自身は冷静でいたい。
なにより、すべてはコーチのおかげだと思っている。シメオネが僕に自信を植え付けてくれた。毎シーズン、シーズンが始まる前、彼は僕がさらに成長し、前よりも良いプレーをすることを望んでいる。彼は言ってくれた。僕は重要な選手だって。
去年の夏は、新たにクラブに入ってきた選手たちの指導役になってくれと監督に頼まれたんだ。僕は自分が成長したように感じた。かといって、これから辿っていく道が保証されているわけじゃない。
―――とはいえ君なりの軌跡は刻んできた。マコン(フランス中央部、ブルゴーニュ地方の都市)でキャリアをスタートして、フランスのクラブからは「ノン!」と言われるもスペインのサンセバスティアン(スペイン、バスク地方の都市)に渡って……
G ほんと、最初は大変だったよ。家族と遠く離れてひとりぼっちだったし。モンペリエでユースのトーナメントに出場したとき、リクルーターのエリック・オラッツが名刺をくれたんだけれど、そこに「レアル・ソシエダに一週間トライアルにいらっしゃい」と書かれていたんだ。
家に帰ったら両親はいなくて、電話でそのことを言ったけど信じてもらえなかった。ハッタリだと思ったのさ! 帰ってきてから名刺を見せて、ようやく信じてもらえたよ。
―――アノエタ(レアル・ソシエダの本拠地)ではファンのお気に入りになった。そして今はビセンテ・カルデロンで人気者だ。
G だけど毎回、最初はすごく苦労しているんだよ。レアル・ソシエダでは、はじめのころはとにかくファーストチームの試合にほんの数分でもいいから出たいと思っていた。それが叶ったら次はフル出場、その次は2試合目……という具合に、いつも自分が超えるべきバリアを設定して取り組んできた。それは今でも同じだ。まだまだ高いところまで行けると信じているから。