バルサでプレーするという“アレグリーア”(喜び)
会場に集まったブラジル人記者からも多くの質問がされた。ワールドカップ1年前ということもあり、それに関する質問も多かった。
「セレソン(ブラジル代表)のためにもヨーロッパのフットボールを経験した方がよいという意見もブラジル国内には多くありましたね」
これに対するネイマールの答えはこうだった。
「一番ふさわしい時期に国外に出たと思っている。それはジャーナリストが、あるいはファンがそういったからとか、そういうものではないんだ。父や母と相談して決めたし、今、僕は幸せに感じている。ここでもサントスの時のように、成長できるはずだ。バルセロナに貢献したい、そしてまたセレソンにも貢献したいんだ」
ネイマールのバルサ加入の理由、それは彼の口から繰り返される「幸福に感じている」、その一語に尽きるようだった。事実、彼の表情は笑顔に満ちており、幸せそのもののようだった。
ネイマールの父によれば、選手が歓びを感じてプレーをしなければ、見ている観客に歓びを与えることは無理だ。だからプレーヤーが歓びを感じることが大切だということを父は繰り返しネイマールに教えてきた。それが自らの信条となる、アレグリーア(歓び)ということになる。それがバルサ行きを前にタトゥーした言葉の一つ、アレグリーアだったのだ。
(文:竹澤哲)